Arturia MicroFreakはどんなシンセサイザー?
こんにちは、機材メモへようこそ!
この記事では、Arturia の MicroFreak を紹介します。筆者も音づくり担当として使っている機材で、デジタルのオシレーターとアナログのフィルターを組み合わせたハイブリッド構成のシンセサイザーです。
結論
聴いたことのない音を探すことが目的なら MicroFreak が向いています。11種類のオシレーターモードを切り替えて音の系統ごと変えられるためです。逆に、定番の太いアナログシンセ音を安定して出したい人には別の機種の方が近道です。
Arturia MicroFreakのスペック
- オシレーターは11種類のモードを持ち、Arturia製の4タイプと Mutable Instruments 開発の7種類で構成されます。
- Texturer、Karplus Strong、Harmonic OSC、Superwave など、系統の異なる音源方式を1台に収めています。
- デジタルのオシレーターに対し、フィルターはアナログという構成です。
- 鍵盤はフラットな静電容量式で、ポリフォニック・アフタータッチに対応します。
- シーケンサーとランダマイズ機能を備え、偶然性を混ぜた展開を作れます。
- ウェーブテーブル、フィジカルモデリング、ヴァーチャルアナログを1台で行き来できます。
ギャラリー
強み

- オシレーターモードを切り替えるだけで音の系統ごと変わるため、音探しが速いです。
- アナログフィルターを通すので、デジタル由来の音でも角が取れて馴染みます。
- ポリアフタータッチのフラット鍵盤で、押さえた後の変化まで演奏に使えます。
- コンパクトで場所を取らず、他の機材と並べて置けます。
- キーロックで音を保持できるので、パッド系を背景に敷いたまま他の操作に移れます。
- ノブをいじるだけで音が変わるので、シンセの仕組みを触りながら覚えられます。
注意点と、向かない用途

- フラットな鍵盤は打鍵感が普通のキーボードと大きく違います。鍵盤楽器として弾く前提だと戸惑います。
- 機能が多くつまみの機能も切り替わるため、覚えるまでは目的の音にたどり着きにくいです。
- 定番のアナログシンセ音を安定して出す用途では、素直な構成の機種の方が扱いやすいです。
筆者の感想
筆者は J-6 の MIDI OUT から鳴らす構成で使っています。コード進行は J-6 側で組み、音を作る役目を MicroFreak に任せる形です。アンビエントもやるので、パッド系の音をキーロックで鳴らしっぱなしにして、背景に敷いておくこともよくあります。
オシレーターで気に入っているのは Harmonic です。ノブをいじるだけで音がどんどん変わっていくので、それだけで面白い。飛び道具的な音も出せるので、曲の一部分にだけ持ってくる使い方もできます。この「触っているだけで発見がある」感じは、シンセの入門機としてもかなり良いと思います。
正直なところ、鍵盤は普通のものの方が弾きやすいです(笑)。機能も多すぎて、全部は使いきれていません。それでもガジェットとしては最高で、所有欲がものすごく満たされる一台です。置いてあるだけで、面白いアイデアが出てきそうな気がしてきます。
ちなみに筆者が持っているのは白い Vocoder Edition です。ボコーダー用のグースネックマイクが付いてくるモデルで、音源そのものは標準モデルと同じです。
向いている人

- まだ知らない音を探すことそのものを楽しみたい人。
- 他の機材からMIDIで鳴らす音源を探している人。
- 1台で複数の音源方式を試したい人。
- シンセを初めて触る人。ノブを回すと音が変わる面白さから入れます。
標準モデルと Vocoder Edition、どちらを選ぶか
MicroFreak には黒い標準モデルと、白い Vocoder Edition があります。音源部分は共通で、違いはボコーダー機能とグースネックマイクの有無、そして色です。価格差はおよそ6,000円です。
音づくりだけが目的なら、こちらで足ります
ボコーダーを使いたい、白い見た目が好み、という場合はこちら。筆者が使っているのもこのモデルです
よくある質問
アナログシンセですか?
ハイブリッド構成です。 オシレーターはデジタル、フィルターはアナログという組み合わせになっています。デジタル由来の複雑な波形を、アナログのフィルターで整える設計です。
鍵盤の弾き心地はどうですか?
一般的な鍵盤とはかなり違います。 平らな静電容量式で、押し込む深さがありません。その代わりポリフォニック・アフタータッチに対応しており、押さえた後の圧力で音を変えられます。
他の機材から鳴らせますか?
鳴らせます。MIDIで受けられるため、シーケンサーやコードシンセを親機にして音源として使う構成が組めます。鍵盤の癖が気になる場合は、この使い方が現実的です。
初めてのシンセに向いていますか?
向いていると思います。 ノブを回すと音がどんどん変わるので、理屈を覚える前に「音が変わる面白さ」から入れます。ただし機能が多く、つまみの機能も切り替わるため、全部を使いこなすことは考えずに、気に入った音を探す道具として始めるのが良いです。
オシレーターのモードは何種類ありますか?
11種類です。Arturia製の4タイプに加え、Mutable Instruments が開発した7種類のモードが収められています。筆者がよく使うのは Harmonic で、倍音の組み立て方で音の表情が大きく変わります。
白いモデルと黒いモデルの違いは何ですか?
色とボコーダー機能の有無です。 標準モデルは黒、Vocoder Edition は白でグースネックマイクが付属します。音源部分は共通なので、出せる音そのものは変わりません。筆者が使っているのは白の Vocoder Edition です。
音を鳴らしっぱなしにできますか?
できます。 キーロックを使うと押さえ続けなくても音が保持されるので、パッド系の音を背景に敷いたまま、他のつまみを操作できます。アンビエントのように音を持続させる曲では、この使い方が中心になります。
MiniFreak との違いは何ですか?
規模が違います。 MiniFreak はオシレーターを2基積み、鍵盤も通常の押し込むタイプです。エフェクトも強化されています。その分価格は倍近くになるため、音を探す面白さだけが目的なら MicroFreak で足ります。
上位機の MiniFreak
同じ Freak の系譜に、より大きな MiniFreak があります。オシレーターを2基積み、鍵盤も通常の押し込むタイプになっています。MicroFreak のフラット鍵盤が合わなかった場合の選択肢にもなります。
あわせて使うもの
さいごに
MicroFreak は、音を探す過程そのものを楽しむための機材です。オシレーターのモードを切り替えると音の系統ごと変わるので、目的の音を作りに行くというより、触っているうちに面白い音に行き当たる性格をしています。
筆者の実感としては、他の機材から鳴らす音源として置くと扱いやすくなります。鍵盤は正直、普通のものの方が弾きやすいので、コード進行は別の機材に任せて、MicroFreak には音づくりだけを担当させる方が性格に合っています。
機能が多く、全部を使いきるのは簡単ではありません。それでもノブを回すだけで音が変わっていく面白さがあり、ガジェットとしての所有欲もよく満たしてくれます。定番のアナログシンセ音を安定して出したいなら別の機種が近道ですが、置いてあるだけでアイデアが出てきそうな気がしてくる、そういう一台です。




